コロナウィルスと不動産~第2話~

 

新型コロナはワンルームの相場にどう影響するのか

 

前回は、新型コロナが不動産価格全般に及ぼす影響について、概括的な説明を試みましたが、今回はもう少しつっこんで、区分収益不動産、すなわちワンルーム投資の領域に限定してお話しすることにします。

 

 

 

 

プレイヤーは増加傾向、けど価格は?

まず、ワンルーム市場の先行きについてですが、私はコロナの影響で、ワンルーム投資市場のすそ野は拡がったとみています。

 

3ヶ月にもなろうとする巣篭り生活で、人々はお金の大切さを、また、仕事がなければお金は入ってこないということを、今さらのように痛感したことでしょう。

 

節約が板につき始めた家計の可処分所得は、消費から貯蓄へと大きくシフトするに違いありません。

 

そこを商機ととらえたのかどうかは分かりませんが、こんな時こそ不動産投資、みたいな本の広告をしばしば目にするようになりました。

 

当社では、貯蓄もないのに投資に手を出すのは愚の骨頂であると長年にわたり戒め続けていますが、今後は消費から貯蓄へ、貯蓄から投資へという健全な流れが促進されるはずであり、それほどの手元資金を必要としないワンルーム投資は、そのような健全な投資家からは、利回りの点からみて魅力的なものに映ることでしょう。

 

新たなプレーヤーが参入して需給バランスが崩れると、供給が増えない限り、価格は上昇するというのが、市場の大原則です。

 

にもかかわらず、私は、ワンルーム価格の相場は、3年から5年という割合長いタームで、ゆっくりと下落していくと予想しています。

 

もはや投資には馴染まない危険水域にまで上昇してしまった現在の新築相場は、需給バランスが原因なのではなく、単に都内の土地が高くなりすぎたという簡明な理由によるので、土地価格が適正に戻れば、連動して供給価格も適正に戻るでしょう。

 

中古物件の高値相場は、都内での新規供給数が激減している中での品薄感の反映にすぎません。

 

供給する側は、当たり前ですが、賃貸需要が旺盛な都内で、しかも適正な価格で勝負したいんです。

 

 

 

 

ワンルーム価格下降の要因は?

幸いなことに、ワンルーム用地は、ファミリー物件と違って、それほどの広さを必要としないのですが、そのサイズの土地が、コロナの影響で、これからは徐々に安価に仕入れることができるようになっていくだろう、というのが、今日の話の眼目であります。

 

理由は2つあり、ひとつは最大の競合相手だったホテル業界の需要の蒸発、もうひとつは日銭で商売している路面店の廃業です。

 

大手旅行会社の分析では、国内旅行の回復には早くて2年、海外は同じく4年かかると見ているので、そのような状況下でホテル業界は新規の仕入れはせず、逆に仕入れてしまった土地の処分に動く可能性のほうが高いでしょう。

 

とはいえ、高値づかみをしているわけですから、すぐには売るに売れず、半年先か、1年先かはわかりませんが、事業整理のタイミングで市場に出てくることになると思います。

 

日銭商売の路面店の廃業は、もう少し動きが早いでしょうね。

 

上述したように、消費性向は消費から貯蓄へシフトしていくはずであり、自粛期間が明けたところで、客足が元に戻るとは考えにくいので、事業継続を断念するケースが、これから続出するでしょう。

 

となれば、不稼働の不動産などお荷物以外の何物でもないのですから、土地の売り物件が徐々に増えていき、適正な価格での新規の供給が復活し、中古市場も徐々に沈静化する、という予測が成り立つわけです。

 

もし2021年のオリンピックが中止にでもなったら、この傾向は加速度的に早まりますから、東京都の感染者数に一喜一憂するだけではなく、世界の感染者数の推移にも注意を向ける必要がありそうです。

 

投稿者中村彰男
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1961年 東京生まれ 学習院大学経済学部卒業後、約30年間一貫して不動産業に従事。 うち、ローンコンサルティングなど 業務畑経歴24年。自身も不動産投資にチャレンジし運用に失敗した経験を持つ。