不動産投資による節税の仕組みとよくある失敗例4つ

不動産投資で節税を狙う

不動産投資によるメリットの1つとして、節税があります。

税金は年々増えているので、不動産投資による節税に興味を持つ方も多いでしょう。

しかし、情報収集していくと、「そもそも不動産投資は節税にならない」という声や、失敗例などが多く目につきます。

一方、節税目的の不動産投資は、あらかじめ投資計画を立てて慎重に物件を選べば失敗を予防することもできます。

失敗しないためのポイントは、節税だけではなく家賃収入の獲得についてもしっかりシミュレーションしておくことです。

また、なぜ不動産投資が節税になるのか、仕組みを理解したいという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、不動産投資を節税に利用できる仕組みや、失敗例とその解決方法などについて解説します。

不動産投資で節税できる仕組み

不動産投資で節税するためには、投資の収入を赤字にする必要があります。

「もし節税ができても、収入が赤字になったら意味がないのでは?」と疑問に思う人もいるでしょう。

しかし、あくまでも税金を計算する上で収入が赤字になっていれば問題ありません。

ポイントになるのは、減価償却の仕組みです。まず、不動産投資で節税できる仕組みや、どのような税金を減らせるのかなどについて解説します。

 

不動産投資の赤字は給与所得から控除できる

不動産投資というと、最初に家賃収入を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、不動産運用には様々な経費がかかります。

各経費の合計が家賃収入を上回って収支が赤字になった場合は、その赤字を給与所得から控除できます。

給与所得とは、例えばサラリーマンの場合、会社から受け取っている給料のこと。

実際には所得が減っていないのに、税金の計算上は所得を減らせるので、税金が減るという仕組みです。

この仕組みのことを「損益通算」といいます。

 

住民税の節税について

不動産投資の赤字と給与所得を損益通算するのが、不動産投資による節税の基本です。

給与所得に基づいて計算される税金は、不動産投資で赤字を計上することによって減らせます。

給与所得に基づいて計算される税金には、所得税と住民税があります。

税金計算上の所得を減らすというポイントから、所得税を減らせるということはイメージしやすいでしょう。

住民税については、サラリーマンであれば、毎年6月に給与明細と「住民税の決定通知書」を受け取っているはずです。

この決定通知書に記載されている金額が、その年の6月〜翌年5月の住民税額となります。

前年12月までの所得額と、3月中旬を期限とした確定申告の結果に基づいて住民税は決定されます。

確定申告で所得を減らせれば、所得税だけではなく、住民税も減らせるという仕組みなのです。

 

相続税と贈与税の節税について

「アパート経営で相続税対策」という話を見聞きしたことがある人は多いのではないでしょうか。

なぜ、アパート経営が相続税対策になるのかと、疑問に思う人もいるかもしれません。

相続税は、実際に不動産が売買された金額ではなく、国税庁が決定している路線価を用いて決定されます。

この路線価は、実際に不動産が売買される金額よりも20%〜30%程度低めに評価されているのです。

このほかにも、不動産を賃貸運用することによって評価額が低くなる制度などがあります。

現金で相続するよりも不動産で相続する方が、評価額が低くなるので、不動産での相続対策が有効とされています。

不動産経営にあたって法人を設立した場合は、贈与税の節税も可能です。

法人を設立して不動産を法人名義にしておけば、不動産を購入した親が亡くなるとしても、不動産自体を贈与・相続する必要がありません。

 

減価償却で節税できる仕組み

もう一点、不動産を利用した節税の方法に「減価償却」という仕組みがあります。近年報道で取り上げられた「海外不動産投資を利用した節税」は、この減価償却を利用したものです。

減価償却とは、経年劣化によって目減りしていく不動産の価値を、税金の計算に反映させていくことです。減価償却の金額は、制度上決められた計算式に基づいて算出されます。

そして、計算式に基づいて算出された価値の減少幅は、実際の不動産価格の減少幅よりも大きくなります。

ちなみに、法人を設立して不動産投資する場合は要注意。

法人が不動産投資を行うと、事業の一環として法人税が課税されます。一方、個人事業主に課税されるのは事業所得税です。

税金の種類が違うため、個人と法人とでは、減価償却による税金の計算方法も異なっています。

計算方法の違いにより、節税効果も異なるので注意してください。

 

不動産投資で計上できる経費

不動産投資で節税するためには、減価償却費と不動産経営の経費を計上して収支を赤字にします。

不動産経営の経費として計上できるのは、例えば以下のような費用です。

 

賃貸管理費

不動産経営をすると、入居者の募集や家賃の集金などのため、多くの場合は賃貸管理会社のサービスを利用します。

賃貸管理会社には管理費用を支払いますが、この管理費用は不動産経営の経費として計上可能です。

支払金利

不動産投資ローンを利用している場合は、金融機関に支払う金利を経費として計上できますが、経費計上できるのは建物取得費に関する金利のみで、土地の取得費に関する金利は経費計上できません。

一方、ローンの元本は、不動産の取得費として減価償却の方で経費計上しているため、経費として認められないので、要注意です。

マンション管理組合に支払う管理費や修繕積立金

マンションに投資すると、毎月管理組合に管理費と修繕積立金を支払う義務が課されます。

この管理費や修繕積立金は、不動産投資の経費として計上可能です。

なお、賃貸管理費は賃貸管理会社に支払うもので、管理組合に支払う管理費とは別物だと考えておいた方が良いでしょう。

マンションに投資する場合は、賃貸管理費と管理組合宛の管理費とを別々に支払います。

また、修繕積立金も、共用廊下やエレベーターなど、マンションの共用部を修繕する場合に使う費用です。

所有する部屋の修繕費用とは別物なので、混同しないようにしましょう。

火災保険料

投資用物件を賃貸にする場合、入居者に火災保険の加入を求めることができます。

しかし、火災保険料も不動産投資の経費として計上できるので、オーナーはオーナーで保険に加入しておくのがオススメです。

近年は台風や地震など天災による被害も多いです。加入するときは、なんとなく加入するのではなく、保険の内容もしっかり確認することが重要です。

固定資産税や都市計画税

投資用で所有している不動産にも、固定資産税や都市計画税が課税されます。

これらの税金は、投資運用上の経費として計上可能です。

ただし、経費計上できるのは不動産投資に関する税金のみ。所得税や法人税などは、経費にできません。

 

サラリーマンが不動産投資で節税するには確定申告が必要

サラリーマンなど、給与所得を得ている人が不動産投資で節税するためには、確定申告が必要です。

ちなみに、確定申告を税理士に業務依頼する場合は、税理士費用も経費として申請できます。

確定申告には、青色申告と白色申告という2通りの方法があります。

言葉だけは聞いたことがあるけれど、具体的に何が違うのかわからないという人も多いのではないでしょうか。

ここからは、青色申告と白色申告との違いについて解説します。

 

不動産投資における青色申告と白色申告

青色申告を選択するのは、個人事業主です。青色申告をすると、白色申告よりも税金の控除額が増えます。

ただ、青色申告は複式帳簿という、少し複雑な帳簿で収支を計算しなくてはなりません。

また、事前に税務署へ「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。

節税を不動産投資の第一目的に据えるのならば、税効果を最大限にするため青色申告で確定申告することをオススメします。

開業届などの詳細は、国税庁のホームページで確認できます。また、届出書式もダウンロードできるので、青色申告を検討する人は参照してみてください。

※参照 国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

 

不動産投資で節税を狙う際に陥りやすい失敗例

不動産投資による節税について調べていると、失敗や節税にならないといったネガティブな情報も入ってきます。

ここからは、具体的にどのような状態が失敗に該当するのか解説します。

 

ローン審査が通らなくなってしまう

住宅ローンや自動車ローンなど各種ローンの審査においては、源泉徴収票と確定申告書を提出しなくてはなりません。

ローンの審査対象である収入とは、税務上の収入を指しています。

つまり、節税のために確定申告で自分の所得を少なく見せていると、ローンの審査対象となる収入も減ります。

結果的に収入が不十分と審査され、新たにローンを組もうとした時に審査が通らないこともあるでしょう。

また、収入は十分でも、長期間赤字が続いていると「不動産経営がうまくいっていない」と判断される可能性があります。

赤字経営が続いている理由や、投資期間などについてきちんと説明ができるよう準備が必要です。

 

住宅ローン控除を受けられない

不動産投資を行う際、不動産投資用のローンを利用して投資する人がほとんどです。

住宅物件に投資する場合、不動産投資用のローンも住宅ローン控除の対象になると勘違いしてしまう人もいるでしょう。

しかし、不動産投資用のローンは住宅ローン控除の対象になりません

住宅ローン控除の対象は、自ら居住する目的で購入した住宅のローンだけです。

不動産投資用ローンの利用にあたって住宅ローン控除を当て込んでいると、後で計算が狂ってしまいます。

 

賃貸需要のない物件に投資して失敗

節税目的で投資しても、入居者が入らず空室が続くと、経費が節税額を上回ってしまうことがあります。また、ローンを使って投資した場合には、ローンの返済も負担になるでしょう。

節税を第一の投資目的にしても、あくまでも入居者が入って稼働している前提でシミュレーションすることが重要です。

家賃が入ってくる一方で、経費や減価償却費を込みにして赤字になるのが最も理想的な状態だと言えるでしょう。

もちろん、投資用物件を選ぶ際、駅からの距離やオフィス街へのアクセスなど、賃貸需要の見極めも大切です。

 

共有名義による相続トラブル

不動産は現金と違って簡単に分けられません。万一、物件を運用している間に相続することになった場合、物件を共有名義にしているとトラブルの元になりやすいです。

名義が共有だと、物件を売却することになった際、名義人全員の同意を得なくてはなりません。

また、費用が大きくかかる修繕をするときにも、費用負担を巡ってトラブルになる可能性があります。

目的が節税でも、不動産を相続するときには、よく聞く遺産相続と同じようなトラブルが起こる可能性も0ではありません。

相続も視野に入れるのであれば、事前の対策が必要でしょう。

 

投資用物件選びに失敗すると節税は難しい

どれほど節税に向いている物件でも、いつか経費の方が節税額を上回るタイミングがやってきます。

不動産投資において、物件の年数が経過するほど管理経費がかさむことは避けられません。

また、よほど立地が良くない限り、不動産の価値は年数の経過とともに下落していくので、経費の方が高くなるタイミングで、物件を売却するのが一般的です。

しかし、売れない期間が長引くと、赤字が膨らんでいきます。節税狙いの不動産投資でも、売却の難易度が低い物件を選ぶことは重要です。

 

不動産投資の本質は継続的な収入の確保

不動産投資の最も大きな効果は、継続的な家賃収入です。節税は税制の仕組みを利用した副産物のようなもので、二の次の効果と捉えるのが適当です。

また、万一物件を相続することになると、赤字経営の投資物件は相続人にとって「負動産」になってしまいます。

家賃収入を目的とした物件を選ぶ基準と、節税を目的とした物件を選ぶ基準で重複しているものは複数あります。

例えば、賃貸需要の有無や売却時の難易度などです。

家賃収入狙いの不動産投資ロジックから外れている物件は、節税にも向きません。

 

目先の節税に囚われず長期的なビジョンを持とう

節税狙いの不動産投資と言えども、手間をかけて物件を選ぶことと、長期的なシミュレーションは重要です。

節税だけにとらわれて物件選びとシミュレーションを怠ると、想定していた収入が入ってこない状況に陥る可能性も出てくるでしょう。

こうなると、経費がかかるばかりで収入が入らず失敗してしまいます。

不動産投資に失敗しないためのポイントは、以下の2点です。

・周辺相場の調査や候補物件の比較など、家賃収入を目的とした投資と同じように物件を選ぶこと

・いつになったら物件を売却するのか、あらかじめビジョンを明確にしておくこと

事前調査とシミュレーションをしっかりしておけば、失敗の可能性を大幅に減らせます。

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