不動産投資における閑散期・繁忙期っていつ?

閑散期・繁忙期を見極めよう

バブル期のような不動産価値の値上がりを期待することが難しくなった現代では、不動産売却益を狙った投資を行うことが難しくなりました。

現在主流の不動産投資は、入居者からの賃料や手数料をメインに収益を獲得する方法です。

このように、賃貸収入を目的にした不動産投資を成功させるためには、閑散期と繁忙期を見極めて運用することが大切。

それぞれの特徴を理解し、時期に合わせた適切な運営を行うと、収益の最大化や安定した賃料収入の獲得を実現させることができます。

どんなに立地が良く魅力のある物件でも、いつも満室とは限りません。

そのため、「どうすれば入居してもらえるか」を考え、入居条件を見直したり、物件のメンテナンスを行うことが不動産投資の明暗を分けます。

 

賃貸物件の1年間の人の動き

ファミリー向け物件や単身物件、女性専用物件など、物件によって入居者の特徴が違い、物件に求めるものも変わってきます。

しかし、おおむねどの物件であっても、賃貸物件の1年間の人の動きは似ています。

1年間の傾向を理解し、それに合わせて活動を行いましょう。

 

1月~3月

1月~3月は賃貸物件業界一番の繁忙期です。

入学、進級、就職、転勤という人が流れる時期なので、この時期に賃貸物件を探す人が集中します。

4月から新生活をスタートさせるために、1月~3月に不動産賃貸仲介会社に多くの人が集まります。

特に1月~3月は、進学や就職のために地元を離れる単身者が多く、単身赴任で地元を離れる人も増加。

そのため、一人暮らし向け物件の需要が高まり、人気物件から先にどんどん埋まっていきます。

また地元を離れる人が多い(それまで住んでいた家を離れる人が多い)ので、退去率も1月~3月がピーク。

しかし、退去率が高い分入居率も高いので、退去者が出ても次の入居者が見つかりやすいです。

マンションなどの収益物件を売却しようと考えている人も、この時期の売却が一番高く売れます。

賃貸需要の高い時期なので、買主もこの時期に一番物件を欲しています。

その一方、新築で収益物件を建てている方は、竣工時期に注意が必要です。

入居の需要は2~3月にかけてピークを迎えるので、遅くても1月末までには工事を完了しておかなければ、2~3月の入居ピークに間に合いません。

遅くても1月末までに工事を完了させれば、入居希望者に新築物件を内覧してもらえるので、成約率を高めることができます。

理想としては12月には工事を完了し、余裕を持って1月から入居者募集を始めたいところ。

しかしそれが難しい場合は、1月末か2月の頭までに工事を終わらせましょう。

そうすれば、何とか4月の新生活が始まり賃貸需要が落ち着くまでに、入居者を確保できるでしょう。

1〜3月は単身世帯を中心に需要が高いので、ワンルームや2DKなど単身向けの収益物件の場合、1月末までの工事完了が難しい時は、焦らずに工事計画を1年先送りするのも一つです。

サブリース会社に一括借上げを依頼する場合は、1〜3月を逃すと満室に持っていくことが難しいので、サブリース会社から長めの家賃保証免責期間を要求されることもあります。

この時期は人の動きに合わせた計画が必要なため、焦って狂いが生じるのであれば、計画を遅らせる余裕を持つことも大切です。

 

4月~6月

4月~6月は単身世帯の動きがなくなりますが、結婚するカップルの多い時期なので、新婚の引っ越しが多くなります。

新婚の場合長く住んでもらえることが多いので、ここで入居者を獲得できれば数年間安定的に家賃収入を得ることが可能です。

複数人が住むことになるので、ある程度の広さの物件の需要が高まります。

 

7月~9月

7月~9月がいわゆる閑散期です。

賃貸需要が一番低い時期なので、この時期に退去者が出てしまうと、新しい入居者を見つけることが難しくなります。

この時期に出来ることは、入居者を出来るだけ退去させないことです。

 

10月~12月

7月~9月の閑散期をすぎると、徐々に賃貸業界が活発化します。

推薦やAO入試などで早めに受験が終わった学生は、この頃から賃貸物件を探し始めます。

そのため10月に入った時点で、更新が近い入居者に更新するかどうか確認しましょう。

退去することが分かれば、2・3月以降に入居可能ということで入居者募集を開始します。

また、来たる繁忙期に向け、物件を清掃したり、設備のメンテナンスを行い、内覧希望者を受け入れる環境作りを進めましょう。

 

閑散期にできること

7月~9月の閑散期は、”できるだけ退去者が出ないようにすることが大切”だと説明しましたが、具体的にどのような取り組みをすれば良いのでしょうか?

閑散期に引っ越しをする人を囲い込むことができれば、閑散期であっても入居率を上げることは可能なのです!

 

入居条件を見直す

数少ない物件探しを行う人との契約チャンスを逃さないためには、他の物件に負けない工夫が必要です。

まずは見学に結びつけるために、入居条件を見直しましょう。

外国人お断りの物件でも、この時期だけは入居条件を緩和し、外国人を受け入れてもいいかもしれません。

外国人は日本と違い9月入学なので、7〜8月に学校を卒業し、9月に日本に就職に来たという人が増えます。

そのため閑散期にちょうど外国人の入居希望者が増えるのです。

この外国人をお断りにしてしまうのは、正直もったいないと言えるでしょう。

入居者募集に積極的な大家は、この時期を4月に埋めることができなかった空室を埋めるチャンスと捉え、外国人向けに部屋のPRを行っています。

外国人が日本で部屋を借りることは難しく、多くの大家が外国人を断っているのが現状です。

しかし、一度入居が決まると、外国人は長期間住んでくれる傾向にあるため、空室リスクが低くなるというメリットもあるのです。

日本人向けに入居を募集する場合も、この時期だけは入居条件を緩めてもいいでしょう。

内覧が決まれば、見学者を迎え入れるために、少しでも物件がよく見えるように清掃したり、雰囲気を良くする心がけも忘れ図に行うべきです。

 

フリーレントを導入する

7月〜9月の間に入居する人には、特別にフリーレントを導入してもいいでしょう。

フリーレントとは一定期間の家賃を免除(無料)して、入居者に貸し出すことです。

フリーレントの期間は1ヶ月〜、最長で3ヶ月がほとんどだと言われています。

”最初の1ヶ月間家賃が無料”というのは、入居者からするとかなりお得。

大家からするとフリーレント期間中は家賃収入を得ることができませんが、フリーレントが終わった段階で家賃収入を得ることができます。

空室のままで置いておくより、フリーレントでも入居してくれる人を見つける方が、長い目で見てメリットがあるでしょう。

フリーレントであれば、賃料そのものを下げる必要もありません。

 

広告宣伝費の積み増しを行う

広告宣伝費のことをA Dとも呼び、仲介手数料以外に不動産会社にこのA Dを謝礼金として支払います。

業者はA Dをインセンティブとも呼んでいます。

A Dを積み増すことで、物件を探している人に優先的に自分の物件を紹介してもらうことができます。

 

家具家電付き物件とする

家具家電のない物件でも、家具家電備え付けの物件にするとすぐに生活がスタートできるため、需要も高いです。

特に家具家電付物件は、「数ヶ月間だけ借りたい」という需要を取り込めます。

1月からの繁忙期に入るまでの7〜12月の5ヶ月間のみ、家具家電付きでマンスリー契約で短期間のみ貸し出し、繁忙期に入れば元の賃貸マンションとして貸し出してもいいでしょう。

最初の家具家電購入費はかかってしまいますが、入居者が入ってくれれば家賃収入で購入費を取り戻すことができます。

他の部屋が空室になった場合は購入した家具家電を移動し、また家具家電付きの部屋として閑散期に入ると貸し出すのも一つの手です。

 

家具家電をサービスでプレゼントする

閑散期のアプローチとして、入居者に家具家電をサービスするのも入居率をアップさせる手段として有効です。

初期投資はかかりますが、入居者が数ヶ月住んでくれれば初期投資分を回収することができます。

 

付帯サービスを無料にする

駐車場利用料やインターネットなどの付帯サービスの利用料金を、無料にするのも一つの手です。

付帯サービスの無料化は、家具家電を無料でプレゼントするよりも安くできるので、始めやすい取り組みでしょう。

 

キャッシュフローを見直す

閑散期だと知っている入居希望者の中には、家賃の交渉をしてくる人も少なくありません。

家賃交渉をされた際に、いくらまでなら家賃を下げても経営に支障が生じないか確認しておかないと、交渉のテーブルにつくことはできません。

そのため事前にキャッシュフローを見直し、ここまでなら値下げしても問題ないというラインを知っておきましょう。

ただし家賃を簡単に下げてしまうことはオススメできません。

家賃の値下げは利回りにも影響が出るので、家賃交渉を受けた場合は先に敷金・礼金の値下げなどを提案しましょう。

先ほどご紹介したように、家具家電や付帯サービスを無料にするというのも交渉手段となります。

 

入居者のトレンドやニーズを抑える

この時期は繁忙期に備え、入居者のトレンドやニーズを抑えた部屋作りの時間に当ててもいいでしょう。

賃貸経営はあくまで経営のため、入居者のニーズを無視した部屋が選ばれないのは当然のことです。

そのため入居者のニーズを知り、トレンドを抑えたリフォームを行うなどし、空室を生みにくい物件に育てていく期間にすることで、次の繁忙期に空室を生まないことに繋がります。

 

閑散期にできることまとめ

閑散期でも、早めにさまざまな対策を打つことで、大家の物件から早く入居者が埋まっていきます。

毎年訪れると言っても過言ではない閑散期に、去年の反省を生かして入居者募集を行うことが空室リスクを避けるポイント。

「閑散期だから仕方ない」と諦めてしまう前に、閑散期でもできることを考え、ピンチをチャンスに変えていきましょう!