不動産投資で勝負できる!【4つの価格】の見極め方

不動産投資用の物件を選別する方法とは?

不動産投資をする上で、物件選びは最も重要なポイントのうちの一つ。

不動産投資初心者の場合、たくさんある中から良い物件を探すのは、なかなか大変ですよね。

実は、物件を選別する際に、「どうしてこの物件にはこの価格がついているのか?」という観点から、物件の特性を把握することが可能なのです。

そして、物件価格の内訳を分析するためには、物件査定に用いられた価格がどのような基準で導き出されたか理解することが重要です。

そこで今回は、不動産価格を検討する際に基本的な知識となる「固定資産税評価額」「路線価」「公示価格」「実勢価格」の、4つの価格について解説。

価格の特性を十分に理解できると、それぞれの案件の特色や評価の基準を把握できるようになるでしょう。

 

価格①:固定資産税評価額を見極める方法

不動産査定における1つ目の価格は「固定資産税評価額」です。

この章では、固定資産税とは何なのか、価額の調べ方や注意点を交えて解説していきます。

 

固定資産税評価額とは?

固定資産税評価額とは、固定資産税・都市計画税・不動産取得税・登録免許税など、市町村が算定する固定資産税の基準であり、3年に1度評価替えがおこなわれるものです。

固定資産税評価額は、立地や物件の広さ・構造などさまざまな要素によって変わるので、専門家が算出した評価額をもとに情報を入手する形となります。

毎年春ごろ(4月~6月)になると、不動産所有者に送付される「納税通知書」、もしくは市区町村役場の窓口で取得できる「評価証明書」で、固定資産税の確認は可能です。

 

固定資産税評価額の調べ方

固定資産税の税額は、固定資産税評価額×1.4%という計算式で算出できます。

また、都市計画法による市街化区域内に土地や住居がある人には「都市計画税」が課税され、土地を取得したときには、1回に限り「不動産取得税」が課税されます。

加えて、登記にかかわる「登録免許税」も、固定資産税評価額をベースにして計算することが可能です。

先述したとおり、今もっている土地や住居の固定資産税評価額については、納税通知書を確認することで把握できます。

ですが、これから新しく投資用物件を建築する人や、中古物件を購入して投資に用いる場合の固定資産税評価額については、別途概算や不動産会社への確認が必要です。

 

固定資産税評価額の注意点

不動産取得のもとになる評価額は、固定資産税の評価額とは異なる場合があります。

というのも、年の途中で新築の投資用不動産を購入した場合、固定資産税の納税通知書がくる前に、不動産所得の課税が課される場合があるからです。

都道府県知事は、固定資産評価額をもとに課税の基準となる評価額を算出しており、市町村などが算出する固定資産税評価額と一致しないケースがあります。

とりわけ、居住用の不動産は固定資産評価額よりも高くなるケースが多いので、注意しましょう。

 

価格②:路線価を見極める方法

不動産査定における2つ目の価格は「路線価」です。

この章では、路線価とは何なのか、価額の調べ方や注意点を交えて解説していきます。

 

路線価とは?

路線価とは、国税庁が発表する道路(路線)に面する宅地1平方メートルあたりの土地の評価額です。

ここでの「道路(路線)」とは、不特定多数の人が通行できる公道を指し、個人の敷地内にある私道は含まれません。

道路(公道)につけた価額に接している土地の面積を掛けて、土地の相続時の評価としています。

また、路線価格は相続税や贈与税の算出基準になるほか、金融機関が担保評価をおこなう際の参考価格として用いられる場合もあります。

 

路線価の調べ方

路線価の評価時点は、毎年1月1日です。

価額は「時価公示価格」や不動産鑑定士による「鑑定評価価額」、精通者意見価格等をベースに、毎年4月に発表される公示価格の80%程度を基準に決定されます。

また、路線価は、7月1日に全国の国税庁・税務署から公示され、サイトにある「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」からも確認することが可能です。

「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で地図や住所を指定すると、道路の上に「310A」「700A」「280A」といった数値が書かれていることが確認できます。

この「310」「700」「280」などの数字が、路線価格です。

単位は千円で明記されているので、310は1平方メートルあたり31万円。

また、路線価は1年間同じなので、その年ごとの価額で相続税が計算されることになります。

次に、数字の後に記載されているアルファベットは、所有者を100%とした場合の借地権割合を示しており、A(90%)・B(80%)・C(70%)・D(60%)・E(50%)・F(40%)・G(30%)となっています。

公示が7月1日である理由は、「相続人が相続税の申告をする期限は、被相続人が亡くなってから10カ月以内」と定められていることに依拠します。

つまり、ある年の1月に亡くなった被相続人の相続人は、10月までに相続税の申告をする必要があるのです。

ゆえに、最低でも3カ月前の7月に路線価格を公示しないと、相続人が申告期限に間に合わないということも覚えておきましょう。

 

路線価評価額における注意点

路線評価額における注意点は、2つあります。

1つ目は、「路線価には土地ごとのいろいろな条件が加味されていない」という点です。

路線価はあくまでどの道路に面した土地の価格を、国が一律で決めたものなので、その土地ごとの特徴や事情などは、価額を算出するうえでまったく考慮していません。

たとえば、「同じ路線価」「同じ面積」「同じ道路の幅・奥行」の土地があった場合、路線価額を算出すると同額になります。

しかし不動産の価値は、土地の方角や周辺環境などによって人気度が変わるため、それらを考慮しながら土地の価格を求めることが必要なのです。

2つ目は「路線価から算出した価格で売却を進めるのはリスキー」だという点です。

先述した通り、路線価を用いて算出した土地の価格はあくまでも参考値。

実際にどのくらいの価格で不動産が売買されているかは、それぞれの土地の特徴や周辺環境などによって変わります。

したがって、路線価から算出した価格を売り出し価格として設定するのは、相場とは異なる価格となるリスクがあるのです。

たとえば、「本来ならさらに高く売れるはずだった不動産を、安値で売り出してしまう」恐れや、反対に「高く値段を設定しすぎて買い手がつかない」などといった事態が生じる危険性があります。

ゆえに、不動産の売却を進める場合は、路線価等から算出した価格で売買の相場を把握し、そのうえで個別の土地の評価額を不動産鑑定士に判定してもらうという流れが理想的でしょう。

 

価格③:公示価格を見極める方法

不動産査定における3つ目の価格は「公示価格」です。

この章では、公示価格とは何なのか、価額の調べ方や注意点を交えて解説していきます。

 

公示価格とは?

公示評価とは、地価公示法で定められている規則にもとづいて、国土交通省の土地鑑定委員会が全国で標準値を選定し、毎年1月1日時点での価格として公示している価額です。

正式的な名称は「地価公示価格」といわれ、都市計画区域内で標準的な土地を選定し、1平方メートルあたりの正常な価格を判定して、3月に公示されています。

「正常な価格」とは、売主による不動産の売り急ぎや、相場からかけ離れた価額での不動産取引など、特殊な事情がない売買で成立すると認められる価格のこと。

2名の不動産鑑定士の鑑定評価をベースにして、不動産の公示価格が判定されます。

公示価格は、土地の適正な価格形成を目的としており、一般的な土地取引の指標や公共事業地などの取得価格算定の基準となったり、固定資産税評価や相続税評価の算出の基準として用いられたりする、重要な基準価額です。

ただし、土地の使用状況は公示価格には関係ありません。

 

公示評価の調べ方

公示価格は、国土交通省の「標準地・基準地検索システム」で確認できます。

ページ上に日本地図が表示されるので、都道府県や市町村、土地の分け方などを明示すると、検索条件と合致した標準値や、基準値の公示評価が表としてリストアップされます。

公示評価額の場所を地図で指定したい場合には、検索結果から「地図で確認する」に進むと、地点周辺の価格を比較しながら公示評価を調べることが可能です。

 

公示評価の注意点

公示評価における注意点は、3つあります。

1つ目は、「取引のない地方のエリアの公示評価は取引の参考にならない可能性がある」という点です。

地方都市では、1年間不動産取引がほとんどされていないエリアがあり、その地域の公示評価は類似地域や、周辺地域の変動に鑑みて査定するしかありません。

たとえば、バブル期頃に繁盛していたけれど、現在は超割安でも不動産が売れない地域の査定結果を見てみると、「取引数が少なく規模によりバラツキが大きいので需要の中心となる価格帯が見出せない」と言及している鑑定結果もあります。

したがって、地方のような取引の少ないエリアの価額は、公示価格が出せなかったり参考にならなかったりする可能性もあるのです。

2つ目は、「公示評価は全国の住宅の1,600分の1しかデータがない」という点です。

総務省の発表によると、平成29年度の段階の日本全国の宅地数は約8,300万ありますが、公示地価は基準地価と合わせて5万しかありません。

したがって、公示評価は全国の住宅の1,660分の1しかカバーしていないということになります。

ゆえに、もし投資者が土地の価格を知りたいと思っても、公示地点が1キロメートル以上も離れた場所しか直近のデータがないこともあり得るので、なかなか的確なデータとして照らし合わせられない場合があるのです。

3つ目は「税収との関係が不明瞭なので客観的な価格か定かではない」という点です。

公示価格は先述したとおり、路線価格や固定資産税評価額の参考価格としても利用されています。

したがって、不動産が売れない地域の人にとっては税金だけ取られるという認識の人も多いようです。

本来であれば、そのような不動産が売れにくい地方エリアの公示価格は大きく下落してもおかしくありません。

しかし、実際には毎年2~3%程度の下落で価額が調整される傾向にあります。

 

価格④:実勢価格(時価) を見極める方法

不動産査定における4つ目の価格は、「実勢価格(時価)」です。

この章では、固定資産税とは何なのか、価額の調べ方や注意点を交えて解説していきます。

 

実勢価格(時価)とは?

実勢価格(時価)とは、実際に不動産を売却する場合に市場において「どの程度の評価が可能か」という時価のことです。

実勢価格(時価)は「固定資産税評価額」「路線価」「公示価格」などを参考にして算出され、調査対象の不動産の個別要素(土地の形状・利用状況・建物の状態など)と、個別の事情(心理的瑕疵・債務整理・相続による売り急ぎなど)を、総合的かつ段階的に考慮する必要があります。

 

実勢価格(時価)の調べ方

実勢価格(時価)を調べるには、国土交通省が公表している「土地総合情報システム」というサイトにアクセスすれば、実際におこなわれた不動産の取引価格を知ることが可能です。

サイトにいくと、「不動産取引価格情報検索」「地価公示都道府県地価調査」という、2つの検索先が提示されます。

「不動産取引価格情報検索」は、公示評価の調べ方で解説したとおり、不動産の取引価格がどのくらいだったかという結果が地図上で閲覧可能なものです。

標準値や基準値における具体的な価格を表ベースに確認したい場合は「地価公示都道府県地価調査」の方をクリックすると実際の実勢価格(時価)がわかります。

 

実勢価格(時価)の注意点

実勢価格(時価)は公示価格や路線価格などとは異なり、取引当事者の事情や土地の条件によって変わる、取引ごとの特別な事情に鑑みて査定された金額です。

したがって、相続による売り急ぎ、なんらかの諸事情による買い進みなどの諸事情や、土地の形状や面積、全面道路の開発の進展に応じて価額が大きく変わります。

先述したような、公示価格で売買されるケースはほとんどなく、実際の状況の変化を考慮して算出されるこの実勢価格(時価)を指標として、土地の需要は評価されます。

ゆえに、公示価格を参考にして実際に取引金額を決めても、実勢価格(時価)と異なることは普通にあり得るため、実勢価格(時価)は公示価格より先に変動するという点は覚えておきましょう。

たとえば、対象不動産の近くに新駅が開業したことで、周辺の地価がアップしたケースでは、公表されている公示価格が需要の低い時期に決定されたものであると、その後の実勢価格と大きな差が生まれる場合があります。

したがって、不動産の購入や売却を考えている場合、その地域の地価の動向を追い続けることが大切です。

 

物件を選別する際の4つの不動産価格まとめ

今回は、物件を選別する際の4つの不動産価格について解説しました。

価額それぞれには特徴と注意点があり、それらを考慮した物件の分析が大切です。

それぞれの価格の特性を十分に理解できると、案件ごとの特色や評価の基準も把握できるようになります。

本記事を参考にして、ご自身の不動産投資にぜひお役立てください。

 

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