不動産売買の重要事項説明書って?確認すべきポイントを解説!

不動産売買契約と重要事項説明書

不動産売買を契約する前に、「重要事項説明書」について、必ず説明を受ける必要があります。

物件に関する、様々な重要事項について説明されているのが重要事項説明書ですが、内容について細かく理解していないという方も、実は多いのではないでしょうか。

実は、内容を深く知らないで契約を締結してしまうと、後に大きなトラブルになってしまう可能性があります。

今回は、重要事項説明書の内容と、注意すべき4つのポイントや違反した場合について、解説していきます。

 

重要事項説明書の内容とは?

重要事項説明書とは、不動産の売買•賃貸の際に「不動産会社の宅建取引士が買主側に対して、必ず説明しなければいけない物件の重要事項」が記載された書類です。

一般的に「重説」と呼ばれることが多く、不動産売買の際、買主は、重要事項説明書の確認をしてから、物件を実際に購入するかどうかを決めることになります。

宅建業法上、宅建取引士は買主側に対して、契約の前に必ず重要事項説明書を説明しなければいけません。

不動産売買の場合、現時点では対面による説明が必要ですが、賃貸の場合はオンライン上の説明でも可能となっており、ゆくゆくは売買においても、オンライン上での説明が可能になることが予測されています。

重要事項説明書の説明事項は、主に下記の通りです。

•説明者が宅地建物取引士の免許を保有しているかの確認事項

•購入する物件に関する事項

•売買する条件に関する事項

•法令上の制限

•マンションの場合、マンションの共用部分の管理方法、施設の利用方法など

このほかにも、多数の説明事項が記載されています。

物件に関する重要な事項が記載されていますので、重要事項説明書は賃貸や売買において、非常に重要な役割を果たしています。

 

重要事項説明書の目的について

重要事項説明書の一番の目的は、「買主と売主のトラブルを事前に防ぐこと」

水漏れ•瑕疵•シロアリ•違法建築など、不動産売買にあたって想定されるトラブルには様々なものがあります。

そのため、重要事項説明書には”契約においてトラブルになりそうなところ”をまとめて記載した上で買主側に説明し、不要な解約を防ぐという目的があります。

買主にとって、安全•安心に購入してもらうための書類だと言えるでしょう。

実際にトラブルや裁判となった場合、この重要事項説明書をもとに、契約内容の確認をします。

内覧時や購入時に詳しく説明されない項目でも、重要事項説明書に記載があった場合は、買主側が不利になってしまいます。

そのため、「重要事項説明書の内容を、確実に理解して契約をする」ということが、非常に重要なのです。

 

重要事項説明書はいつ説明されるの?

重要事項説明書は、契約の直前に説明されるケースが多いです。

しかし、宅建業法上では「契約の前に重要事項説明書の説明をする」とだけ明記されているため、説明が契約の直前でなくても問題ありません。

「直前に説明しても内容が分かりにくい」という理由で、1週間前に説明する不動産業者もあり、不動産会社によって対応はまちまちです。

 

重要事項説明書の原本はいつもらえるの?

重要事項説明書の原本は、説明時にそのまま渡されるケースがほとんどですが、原本ではなく写しの場合は、説明する前の段階でもらうことができます

契約時に重要事項説明書の説明をされ、そのまま原本をもらったとしても、ゆっくり確認する時間をとるのは難しいですよね。

可能ならば、前もって重要事項説明書の写しをもらっておき、事前に確認した上で、説明時にわからない個所を質問することをおすすめします。

 

賃貸物件の重要事項説明はオンラインでも可能に

2017年10月1日から、賃貸物件の場合は、オンライン上での重要事項説明が認められるようになりました。

これを「IT重説」と言い、流れは下記のとおりです。

1.前日までに、重要事項説明書及び付帯する資料を郵送またはEメールにて送付

2.前日までに、不動産会社か指定したWEB会議システムのテスト(スカイプ•Zoom•ハングアウトなどを使うケースが多い)

3.当日はWEB会議システムにて、指定の時間から説明開始

4.宅建取引士が買主側に免許を提示

5.手元にある重要事項説明書を共有しながら、説明

6.重要事項説明書の説明が終わったら、買主は関連書類に必要事項を記入

7.不動産会社に郵送する事で契約が完了する

IT重説は、遠隔地の場合でも契約が締結できるほか、日程調整の柔軟化、来店できない場合でも対応可能など、様々なメリットがあります。

2020年7月現在では、賃貸におけるIT重説は認められているものの、売買においては正式に認められていません。

しかしながら、国土交通省は不動産売買のIT重説について社会実験を行っており、今後不動産売買におけるIT重説を認める方向で進んでいます。

2020年9月末までに、第6回の社会実験が終了する見込みとなっており、進捗状況は順調です。

個人間を含む売買取引は、賃貸のIT重説の運用後、社会実験の効果を踏まえて検討すると国土交通省は発表しています。

今後、不動産売買において、IT重説が解禁される日もそう遠くはないのかもしれません。

 

告知書も必ず確認しよう

重要事項説明書と同じく、「告知書」の確認も重要です。

告知書とは、重要事項説明書とは別に、売主側が用意する書類のこと。

過去の瑕疵修繕歴など、売主や物件の所有者でなければわからないことをが記載されています。

特に、中古の物件の場合、過去の修繕履歴や過去の瑕疵がわからないため、購入する際に不安が生じるケースは少なくありません。

告知書を確認しておけば、具体的な修繕歴などを知ることができるので、安心して物件を購入できるでしょう。

注意点として、告知書は重要事項説明書とは異なり、提出義務がないということ。

売主側の協力がなければ、発行してもらえない可能性も出てきます。

売主に告知書を発行してもらえなかった場合は、不動産会社に依頼することで発行してもらえるケースもあります。

重要事項説明書と同じく重要な書類となるので、出来るかぎりもらっておきましょう。

 

重要事項説明書で必ず確認すべき4つの注意点

重要事項説明書で必ず確認しなければいけないのは、下記の4つです。

•融資特約時による解除

•手付金の解除

•違約金の解除

•契約不適合責任の期間

 

融資特約による解除

ここからは、融資が下りなかった場合の契約解除について、解説していきます。

不動産を購入するときは、融資の事前審査に通過しているケースが多いですが、事前審査に通過しても、本審査に通過しないこともあります。 

契約に際して融資特約が定められていれば、融資の本審査に通過しなければ物件の購入ができないため、万が一融資が下りなかった場合でも、買主側は不動産売買契約を解除することができます

融資特約による契約解除にあたって、注意しなければならないポイントは「承認取得期日」「金融機関名」「融資金額」の3つです。

 

承認取得期日

承認取得期日は、本審査を申し込みした期日ではなく、「金融機関から融資の回答がある期日」をいいます。

承認取得期日を超えてしまうと、買主は契約の解除をするにあたって違約金が必要となります。

そのため、承認取得期日が短すぎると、不要な負担をすることにもなりかねません。

承認取得期日は、ゆとりをもって設定し、確実に金融機関から回答をもらえる日にちかどうか確認しておきましょう。

 

金融機関名

金融機関名については必ず確認し、重要事項説明書に書いてある金融機関に融資を申し込みましょう

重要事項説明書と異なる金融機関に融資を申し込んで、万が一審査に通過しなかった場合、買主側から違約金を支払わない限り、契約を解除することはできません。

重要事項説明書に記載のある金融機関に申し込みをしてはじめて、審査に通過しなかった場合に買主側から契約を解除できる権利が生まれます。

金利が安い•条件が良いなどの理由で、他の金融機関を利用したい場合でも、重要事項説明書に記載されている金融機関で審査を受けましょう。

 

融資金額には総借入金額を記載する

融資金額の記載方法にも、注意が必要です。

金融機関以外から資金を借りる場合、金融機関以外からの融資が滞ってしまうと、違約金を支払わなければ契約を解除できなくなります。

そのため、「総借入金額」を融資金額の欄に記載する必要があります。

例えば、金融機関から融資を受ける以外に、親族からも資金を借りるケースについて。

当初3,000万円の物件を購入するために、2,000万円を金融機関、1,000万円を親族から借りるとしましょう。

融資金額を2,000万円と記載してしまうと、途中で親族から借りられなくなってしまった場合、違約金を支払わない限り、買主側から契約の解除はできません。 

親族から借りる資金を差し引いた金額を、融資金額として重要事項説明書に記載すると、親族から借りられなくなったときに、契約を解除することができなくなってしまうのです。

そうならないためにも、融資金額の欄には、必ず総借入予定金額を記載しましょう。

 

手付金の解除

買主は、不動産を購入する際、売主に対して売買代金の一部を手付金という形で支払う必要があります。

もし、売主と買主、どちらか一方の事情で契約を解除したいとなった場合、手付金の解除という方法を利用できます。

買主の一方的な事情で契約を解除したい場合でも、契約時に支払った手付金を放棄することで、契約を解除できるのです。

一方で、売主の一方的な事情で契約を解除したい場合、契約時にもらった手付金を支払うのはもちろんのこと、手付金の同額を買主に支払う必要があります。

例えば、3,000万円の物件の契約時に、買主が売主に対して300万円の手付金を支払った場合、買主は300万円を放棄することで、売主はもらった300万円+手出しで300万円の計600万円を買主側に支払わなければ解除できません。

そのため、どうしても契約を解除したくない優良な物件を購入したいときは、買主側でなるべく手付金を多く支払い、売主側に契約を解除させないようにすることが大切です。

 

違約金による解除

重用事項説明書に記載されている日にちまでに物件を引渡すことができなかった場合、違約金を支払うことで契約を解除できます。

違約金の相場としては、物件価格の10%~20%。

高額な違約金となるケースも、少なくありません。

そのため、重用事項説明書に記載されている期日や内容は、ゆとりをもって記載しておくことが重要だと言えるでしょう。

 

契約不適合責任の期間

契約不適合責任の期間についても、必ず確認しておきましょう。

契約不適合責任とは、契約の内容と実際に引き渡した物件に差異があった場合、損失に相当する金額を補償しなければいけない義務のこと。

2020年4月1日以降の契約では、従前の瑕疵担保責任ではなく、契約不適合責任が適用されています。

契約不適合責任の期間は、買主と売主の合意のもと設定でき、通常であれば3か月、長くても1年程度となっています。

契約不適合責任は、基本、買主側に有利なものです。

しかし、期間が短すぎると不利になりかねないので、事前に決めた期間と違いはないか、必ず確認しておきましょう。

 

重要事項説明書に違反するとどうなる?

重要事項説明書に違反した場合、買主は宅建業者に対して損害賠償を請求することができます。

例えば、宅建取引士が「重要事項説明書を説明していなかった」「違法建築物であることを重要事項説明書に記載していなかった」などが、違反の代表例として挙げられます。

しかし、“重要事項説明書に違反した”という明確な証拠がなければ、損害賠償を請求することが難しくなってしまいます。

損害賠償を請求する場合は、必ず写真や録音データなどを証拠にとり、具体的に「どの項目がどの条文に対して違反しているのか」ということを、明確にしておきましょう。

 

不安な場合は事前に重要事項説明書をもらい、場合によっては弁護士に確認を

重要事項説明書は専門用語が多く、分かりにくく感じる方も多いかと思いますが、重要事項説明書は非常に大切な書類であるため、しっかりと確認する必要があります。

もし、適当に押印をしてしまうと、後に大きなトラブルになる可能性も。

内容を理解できるかどうか不安な場合は、事前に重要事項説明書をもらっておき、一つ一つの項目を確認しておきましょう。

法律的な漏れがないかなどの確認は、弁護士に依頼することもおすすめです。

 

不動産売買における重要事項説明書まとめ

今回は、不動産売買における重要事項説明書で注意すべき4つのポイントと違反した場合どうなるのか、解説してきました。

中でも、以下の項目を抑えておきましょう。

•重要事項説明書は、買主が安心して物件を購入するための書類

•手付金や違約金による解除の要項を確認する

•融資特約の「承認取得期日」「金融機関名」「融資金額」は正確に記載

•契約不適合責任は買主にとって有利、期間をしっかり確認しておくことが大切

•重要事項説明書の写しは、事前にもらうことができる

重要事項説明書の説明は、形式的に聞いているだけで、深く内容を理解していないという投資家も少なくありません。

しかし、内容を理解していなければ、のちに大きなトラブルに繋がる可能性も考えられます。

本記事をぜひ参考にして重要事項説明書の確認ポイントを把握し、考えられるトラブルを事前に避けていきましょう。

 

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