投稿日:

コラム

家を借りる時に必ずかかってくるのが、敷金、礼金、管理費、共益費という各種費用です。家を借りたいと考えている人は、この費用が何を指すのか知っておけなければいけません。オーナーも同様にこの費用についてよく理解しておく必要があります。最近では敷金・礼金0円物件も増えてきていますが、こうした物件はオーナーや入居者にとって本当にメリットがあるのでしょうか?

また各種費用が高額であれば、その分サービスの質が上がるのでしょうか?

ここでは各種費用について詳しく説明し、利益を最大化させるためには、どのように費用を定めて行くと良いのかご紹介します。

 

必ず目にする敷金・礼金って何?

敷金とは?

敷金は物件から退去する際に必要な原状復帰のための費用です。人が住むことによってどうしても部屋は汚れてしまいます。 暮らす上で部屋が汚れてしまったり、損傷ができるのは避けられないことです。家具の置き方によっては床に家具の跡がつきますし、ポスターを貼ると壁紙に穴が開きます。住む人や期間に関係なく、人が住むと必ず部屋は汚れます。そのため部屋を退去する際には、原状回復のための費用を支払う必要があります。

この原状回復のための敷金は、オーナーサイドから見るとなくてはならない費用です。入居者の部屋の汚し具合が酷い場合、この敷金がないとオーナーは大損してしまいます。ただし損傷が大きければ敷金のみでは足りなくなることもあります。原状回復をさせるのであれば、この物件ではどれくらいかかるのかということを予め計算し、物件にあった敷金を設定しましょう。敷金の額は物件の規模などにもよって変わります。敷金の目安は家賃の1〜2ヶ月分です。礼金を0円にする代わりに、敷金を3ヶ月に設定するオーナーもいます。

敷金は家賃の滞納が発生した際に、家賃の補填として使われることもあります。つまり敷金はオーナーにとっては困った時に助けになるお金なので、敷金を0円に設定するのはお勧めできません。

また敷金を返さないという特約を予め結ぶこともできます。ただしこの特約はどんな内容であっても認められるものではありません。合理的な理由があり、借り主が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことを認識していること、借り主が特約による義務負担の意思表示をしていることという3点を満たしていないといけません。

敷金は入居者からすると払いたくない費用です。しかし部屋を激しく損傷させてしまっても、最初に支払った敷金で何とかなるので、いざという時に支払って良かった費用になります。

敷金は退去時に原状回復にかかった費用を敷金から差し引き、返金されます。しかし多くの場合、敷金は返ってはきませんし、返ったとしても微々たる額です。

敷金が返ってこないことや返金額が少ないことは、トラブルになりやすいセンシティブな問題です。

そのため借主も家主も最初に契約内容の確認を、しっかりと行うことが大切です。

 

礼金とは?
礼金は部屋を貸してくれることに対し、お礼として入居者がオーナーに支払う費用です。お礼なので敷金のように入居者に返す必要はありません。

礼金の目安は家賃の0.5~2ヵ月分です。最近では礼金0円物件が増えています。

礼金はお礼として入居者からもらうお金ですが、住んでくれる人がいるからこそオーナー業は成り立ちます。そのため入居者からお礼を貰うという考えは古い考えになりつつあり、お礼はいらないと考えるオーナーが増えています。入居者からしても敷金のように返ってくるお金ではなく、オーナーに渡すだけのお金なので支払いたくないという考えの人が増えています。そのため礼金は新築物件を除き、設定するのはやめましょう。新築であれば礼金を支払ったとしても、入居したいと考える人は多いですが、中古物件あれば他の物件と比較した際に礼金がない物件の方が好まれるのでは、客付の面で他の物件に負けてしまいます。

 

 

部屋を借りる時に必ずかかるのが仲介手数料

仲介手数料とは?

仲介手数料は入居者が仲介不動産会社に支払う手数料です。物件を借りる際にオーナーとの橋渡しを行ってくれたことに対し、その対価として支払います。オーナーは成約したとしても不動産会社に、仲介手数料を支払う必要はありません。最近では仲介手数料を半額〜無料にする不動産店が増えています。

部屋探しをする際は、仲介手数料の安い不動産会社を選ぶといいでしょう。

 

アパートやマンションの部屋を借りる時にかかるのが、共益費・管理費

共益費とは?

共益費は居住者が共有の利益を受ける設備の維持管理に使われます。例えば入口やエレベーター、廊下や階段などは皆で使う設備です。こうした場所の清掃代や水道代、電灯の交換代などが共益金から支払われます。

皆で使う設備だからこそ皆でお金を出し合い、維持・管理していくという考えのシステムです。物件によっては家賃の中に共益金が含まれており、別途共益金を支払う必要がありません。

 

管理費とは?

管理費とは物件の維持管理のために使われる費用です。共有スペースの維持管理や管理人を雇うための費用として使われます。管理費は分譲マンションで多く設定されています。

賃貸の場合は管理費や共益金の支払いのみが必要ですが、分譲マンションの場合は修繕積立金の支払いも必要な場合もあります。

修繕積立金は外壁の塗り替えなど将来大規模な工事が必要になることに備え、住民同士が毎月お金を出し合い、少しづつお金を積み立てていくものです。賃貸の場合は将来もずっとそのマンションに住むわけではないので、修繕積立金を支払う必要はありません。

購入している人も賃貸で借りている人もいるマンションでは、購入している人のみ修繕積立金を支払います。

 

共益金と管理費はどう違うの?

共益金と管理費の明確な違いはありません。そのため管理費(共益費)と表記されることも多いです。どちらも使い道に決まりがないため、区別が曖昧です。そのため共益金と管理費はどちらかしか基本的に支払う必要がなく、両方支払う必要はありません。

共益金と管理費には明確な料金の違いもありません。管理人を雇用しているのか、物件の設備が充実しているのかといった違いが料金の違いになります。

共益金も管理費もなく、家賃のみの支払いのマンションもありますが、その場合家賃の中に管理費や共益費が含まれています。部屋を借りる際は家賃以外の支払いがあるのかどうかも、きちんと確認しましょう。

また共益費・管理費の相場は、賃貸マンションの場合家賃の5~10%程度です。これより高くなるとその分管理のサービスレベルを高くしないと、住民からの不満を招きます。エレベーターのある賃貸マンションはどうしても設備の維持管理費に費用がかかるので、共益費・管理費も高くなり家賃の7~10%が相場です。新築物件はエレベーターの有無に関わらず、共益費・管理費は高く設定されています。一方でアパートは家賃の5%でも高いと感じられる方も多いです。共益費や管理費は、どんなに高く設定したしたとしても家賃の10%が関の山です。

管理費(共益費)の費用は、何階に住んでいようと同じです。1階に住んでおりエレベーターを使わないから、管理費(共益費)を安くして欲しいという要望は通りません。設備はどの設備であっても物件と一体となっているので、その設備を使用しないからといって設備費を支払わないということはできません。

 

管理費(共益費)の値下げ交渉や前払いも場合によっては可能

入居者から管理費(共益費)の値下げや前払い交渉が来ることもあります。この交渉に応じるかどうかは基本的にオーナー次第です。

管理費(共益費)は通常、毎月の家賃と一緒に支払われます。しかし半年や1年分を一括して前払いすることも可能です。一括払いを許可するのであれば、オーナーが毎月入居者の管理費(共益費)をきちんと管理しなければいけません。もし1年分一括払いをした入居者が半年で退去することになれば、半年分の管理費(共益費)を返済しなければいけません。応じることは可能ですが、オーナーからすると手間がかかり、面倒くさい仕事が増えます。一方で滞納リスクは無くなります。

入居者はオーナーに管理費(共益費)の値下げ交渉をすることもできます。特に物件の管理が行き届いていない場合、それを理由に管理費(共益費)の支払いを拒否する入居者が出てきます。そのため値段に見合ったサービスを提供することが大切です。

また正当な理由がなく、管理費(共益費)の支払いを拒否する入居者は、賃貸借契約を解除することもできます。悪質な入居者に屈することなく、弁護士などに相談し適切な方法で支払いを促しましょう。

 

家賃以外の費用の一部はオーナーの収入に

家賃以外にかかる費用の一部はオーナーの収入になります。

礼金は全額がオーナーの収入になります。そのため高く設定したいところです。しかし礼金を高くすると、敷金・礼金0円物件に負けてしまいます。一方で敷金・礼金0円物件の多くは、家賃が高く設定されています。入居者が成約するとすぐに入ってくる礼金という収入にはなりませんが、家賃を高く設定することでその後ゆっくり収入を増やしていくことができます。どちらが良いのかは一概に言えず、オーナーの考え方次第です。

管理費は管理を請け負っている人の収入になります。オーナーの多くは管理を管理会社に任せているため、管理費は管理会社の収入です。自主管理をしている場合は、オーナーの収入になります。

共益金はオーナーの収入になります。ただし丸々自分の収入として使っていいわけではなく、その中から必要な設備の補修などを支出しなくてはいけません。

管理費、共益費が誰の収入になるのかは、物件次第です。

 

入居希望者の目を引くなら、家賃を下げて管理費(共益費)を上げる

入居希望者の多くは、家賃に目を向けており管理費(共益費)がいくらなのかというポイントは二の次です。そのため家賃5万円(別途管理費2000円)という物件と、家賃5万2000円(管理費込み)という物件があれば、半数以上が前者の物件が良いと注目します。ネットで部屋検索する際も基本的に家賃の上限を定め、その中から探します。そのため家賃を5万円で探している入居者には、家賃5万円(別途管理費2000円)の物件は表示されますが、家賃5万2000円(管理費込み)は表示されないのです!

入居者が毎月支払う額は全く同じなのに、家賃の設定の仕方が違うだけでこんなにも違うのです。これではチャンスロスしてしまいます。そのため家賃は低く設定し、別途管理費(共益費)が必要という案内をするのが一番です。

 

管理費(共益費)なしの物件は、メリットだけではない

入居希望者からすると、管理費(共益費)はない方がいいに決まっています。初期費用や家賃はできるだけ抑えたいと思うのが人の心理です。

しかし管理費(共益費)が家賃や仲介手数料などの中に入っており、逆に高くつしてしまっているということもあります。

築年数が古かったり、駅から遠いなどの不利な条件の多い物件は、管理費なしを売りに入居者を集めていることもあります。

また管理費(共益費)を徴収しないことにより、管理のサービスレベルが低く、掃除が行き届いていないということもあります。

管理費(共益費)なし物件は必ずしも入居者にとっていい物件とは言えません。そのため質の高い管理を提供できているのであれば、無理に管理費(共益費)を無くす必要はありません。