アパート経営にベストな戸数は?収入や利回りをシュミレーション

戸数から考えるアパート経営

アパートを新築し経営を始める場合、アパートの戸数を決める必要があります。

アパートの戸数を増やして入居者がいれば、家賃収入が増えます。

しかし戸数が増えると、必然的に1部屋の所有面積が小さくなるので、狭いと感じる人もいるでしょう。

そのため、戸数は単純に増やせばいい、減らせばいいという問題ではありません。

今回は、理想的なアパートの戸数を決めるポイントについてご紹介します。

戸数が多いことによるメリット

家賃収入が増える

戸数が増えると、その分家賃収入が増えます。

例えば1戸5万円の家賃のアパートが、1棟8戸あったとすると、この場合の家賃収入は40万円です。

次に同じアパートの戸数を増やし、1棟10戸で家賃はそのまま5万円としましょう。

単純計算で、この場合の家賃収入は50万円です。

戸数が増えたことで、1戸あたりの部屋が狭くなったことを考慮し、家賃を5000円下げたとしても収入は45万円で、8戸の家賃収入を上回ります。

 

家賃以外の収入が増える

アパート経営の収入は、家賃以外にもあります。

入居時に受け取る礼金は、戸数が多いほど増えます。

駐車場を設置している場合も戸数が多いほど利用者が増え、駐車場収入が増えるでしょう。

アパートに自動販売機を設置している場合は、入居する人が多いほど使ってもらえる可能性が高まります。

このように戸数が増えることにより、家賃以外の収入も増えるのです。

 

空室の影響を最小化できる

戸数の多さは、リスクヘッジにも繋がります。

例えば1棟8戸のアパートで1室空室が出ると、12.5%収入が減ります。

しかし、1棟10戸のアパートでは8%しか収入が減らないので、空室の影響を最小限に抑えられます。

 

効率的に管理ができる

管理を行う場合、8戸を管理するのも10戸を管理するのも、業務の負担はそれほど変わりません。

管理会社に管理を依頼する場合も、同じアパート内を回るのであれば8戸も10戸も管理の負担はほぼ同じだと言っても過言でありません。

逆に管理会社は1棟当たりの戸数が多いほうが、効率的に部屋を回ることができるので、管理が楽で入居希望者にもオススメの物件としてすすめてくれるのだそう。

入居希望者に優先的に勧めてもらうことができる物件は、空室率も改善しやすいです。

 

10戸以上のアパートは税金が控除される

アパートを経営するには、税金についても考えないといけません。

10戸以上を保有するアパートは事業とみなされるので、確定申告の際に青色申告が可能になります。

青色申告であれば最高65万円の控除が受けられ、節税・手取り増加に繋がります。

 

6畳以下の極小アパートでも、満室経営が期待できる

できる限り入居者を詰め込むために、1部屋を6畳以下にした極小アパートも実は人気があります。

入居者の中には家は帰って寝るだけだから、部屋に快適性をさほど求めないという人一定数もいるのです。

また6畳以下の部屋であっても、創意工夫により様々なことができます。

まずはロフトを設置することで、部屋として使えるスペースを広くすることができます。

窓を設置すると、狭い部屋でも圧迫感や窮屈な感じが和らぎ、ゆとりを感じます。

窓が設置できない場合は、鏡を設置しても同様の効果を得ることができるでしょう。

限られたスペースを有効に使い、浴槽なしのシャワールームを設置したり、床下収納を取り入れることも可能です。

最大戸数の確保と快適さは、工夫次第で両方追求することができるのです。

戸数が増えれば一部屋当たりの家賃を下げることができるので、近隣の競合物件にも家賃の安さで勝てるようになるでしょう。

特に最近はミニマリストが流行っており、消費離れが加速しているため、「狭い部屋でも問題ない」と感じる若者が増えているようです。

 

戸数が多いことによるデメリット

戸数が多いと、どのようなデメリットが生じるのかご紹介します。

 

初期費用・修繕費がかさむ

戸数が増えれば増えるほど、キッチンやバス、トイレといった必要な設備も増えます。

設備が増えると初期費用がかさみますし、運営する上でも設備の数が多いと故障も発生しやすくなり、修繕費が増加します。

初期費用と修繕費の増加を考えると、家賃収入が増えたとしても戸数を増やした方が、キャッシュフローが悪化する可能性も0ではありません。

 

極端に部屋が狭いと入居者が増えない

1棟の戸数を増やすと、当然1戸における占有面積は狭くなります。

極端に狭い部屋は、よっぽど人気のエリアでなければ入居者がなかなか決まらないでしょう。

部屋の狭さが原因で、近隣の競合物件に負けてしまうかもしれません。

また、借りにくい物件は一度空室が出ると、長期化しやすいというデメリットもあります。

 

採光・風通しが悪くなる

戸数を増やすためには、採光や風通しを犠牲にすることも多いです。

しかし、晴れの日の昼間でも電気が必要なほど暗い部屋は、湿気が原因でカビが生えやすく、電気代も余計にかかってしまうので、なかなか入居者が決まらない傾向にあります。

 

トラブルが発生しやすい

戸数が増えると入居者も増えるので、入居者間のトラブルも発生しやすくなります。

特に部屋が狭く隣の部屋との距離が近いと、生活音なども伝わりやすくなり、騒音トラブルの元になります。

 

不動産ポータルサイトで検索上位に表示されにくい

多くの人が部屋を探す際に、不動産のポータルサイトを利用しています。

希望の家賃や間取りを入力すると、オススメの部屋がピックアップされますが、同じ条件で同じ価格であれば、部屋が広い方から先に紹介されるシステムを取っている不動産ポータルサイトが多いのです。

つまり戸数が多い物件は、部屋あたりの大きさが狭いので検索結果の上位に表示されにくいのです。

知名度、利用者数ともに、業界トップクラスのリクルート社が提供する不動産情報サイトSUUMO(スーモ)でも、部屋の広さ順に表示されるシステムを取っています。

総務省の統計によると賃貸住宅の空き家(部屋)数は、全国に約430万戸あります。

つまり430万戸のうち部屋探しをしている人に、自身の所有するアパートの部屋を見てもらうためには、検索上位に表示された方が有利なのです。

 

アパートの戸数を決める基準とは

アパートの戸数は少なすぎても、多すぎてもNG。

では理想的なアパートの戸数は、何戸なのでしょうか?

現在販売されている中古アパート1棟の戸数の平均は7.6戸で、一番多く販売されているのが6戸タイプです。

しかしこれはあくまで平均値であり、ターゲットとする入居者やアパート1棟の大きさによってベストな戸数は大きく変わります。

ここからは、アパートの戸数を決めるためのポイントをご紹介します。

 

ターゲットとなる入居者の世帯数に合わせる

まずアパートを建築するエリアの市場調査を行い、最も賃貸需要が高い世帯数に向けたアパートを建築しましょう。

例えば近くに工場があり、独身男性の賃貸需要が高い場合は、独身世帯向けのアパートを建築します。

独身男性の場合、部屋の広さや綺麗さよりも家賃を重視することが多いため、ワンルームの間取りで戸数を増やす分、家賃を全体的に下げるといいでしょう。

女性の単身世帯が多い場合も、ワンルームの間取りでも十分ですが、女性は男性より部屋の快適性や綺麗さを求めるため、バス・トイレは別の方が好まれます。

幼稚園や小学校が近い場合、若いファミリー世帯に向けたアパートの建築がオススメです。

ファミリー層を狙う場合は、世帯数と年齢についても考慮する必要があります。若いファミリーの場合、子供部屋が不要なケース多いため2K、2DK、2LDKの間取りでいいでしょう。

しかし子供部屋が必要になってくると、3LDK以上ないと暮らしにくくなります。

このようにターゲットとなる入居者の世帯数に合わせた部屋作りを行わなければ、空室も埋まりにくくなります。

ただし一般的に賃貸需要はファミリーよりも単身の方が高いです。

何戸あればベストか考える際は、まずターゲットとなる世帯数を考え、その世帯が快適に過ごせる広さを確保した上で、何戸部屋数を取ることができるか考えましょう。

入居者が快適に生活できる部屋にするには、1棟の大きさにも上限があるので、無理に戸数を増やし過ぎず、バランスをとることが重要です。

 

管理しやすい戸数にする

アパートを経営する場合、管理しやすい戸数にすることも大切です。

戸数が増えるほど、設備の不具合も発生しやすくなり、修繕の頻度・修繕費ともに増加します。

修繕費の支出が増えると、キャッシュフローも悪化してしまうでしょう。

戸数が増えると入居・退去の頻度も増えます。入居・退去の度に、手続きやルームクリーニング、リノベーションを行うのは、負担も増えます。

特に、自主管理を目指している場合は、大変な手間になります。

副業でアパート経営を行う場合は、戸数が増えれば自主管理も難しくなるでしょう。

入居者のニーズを考慮することも重要ですが、自分が管理できる戸数を見極め、個数を定めることが大切です。

 

アパート経営にベストな戸数のまとめ

アパートの戸数は、多ければ多いほど儲かるとは限りません。

メリット・デメリットがあり、ベストな数の戸数はエリアの賃貸ニーズや経営スタイルによって変わってくるということを、ご理解いただけたでしょうか?

1棟のアパートの大きさには限りがあるので、確保できる戸数は自ずと上限が出てくるでしょう。

入居者のイメージに寄せて戸数を追及しすぎず、快適性のバランスを見て決めることが大切です。