【賃貸トラブル】入居者が家賃を払ってくれないときの対処法とは?

入居者が家賃を払ってくれないときの対処法とは?

不動産投資においては、「家賃トラブル」がつきもの。

「入居者が家賃を支払ってくれない」といった問題に、直面する可能性も大いにあります。

家賃トラブルの問題は、一般的な状況でもやっかいなものです。

しかし、新型コロナウイルス騒動によって、困窮する人が続出。

トラブル件数が増えて、さらに問題も複雑化しています。

中には、「家賃を回収できず、泣き寝入りするしかない」と考えている人もいるでしょう。

ですが、入居者が家賃を払っていくれないという問題は、きちんと手続きすれば、たいてい解決できるものです。

本記事では、入居者が家賃を払ってくれないときの対処法について、詳しく解説します。

 

入居者が家賃を払ってくれない場合の、正しい対策と手順

入居者が家賃を払ってくれない場合、基本的には、

1.督促

2.内容証明郵便を送付する

3.連帯保証人・保証会社へ連絡

4.自宅へ回収しにいく

という流れで、対処します。

以下でそれぞれについて、詳しく解説します。

 

督促を実施する

滞納に気づいた時点で、すぐ督促しましょう。

具体的には、「1日でも支払日に遅れたなら、メールか電話を入れる」というようなスピード感が理想です。

なぜなら、督促をかけるのが遅いと、「滞納してもあんまり文句言われないんだな」「滞納してるけど大家は何も言って来ないし、お金を使ってしまおう」などと思わせてしまうからです。

要するに、督促がゆるいことで、「家賃の支払いを軽んじてしまう」というわけですね。

特に、家賃として支払われるはずだったお金を使われてしまうのは、最悪のパターンです。

滞納している入居者には、すぐ電話やメールで督促をかけましょう。

それでも、家賃を支払ってくれない場合は、「督促状」「催告書」といった書面を送付します。

「書面が来た、いよいよまずい」と考え、慌てて支払うという入居者も。

危機感を与えられる書面の送付は、とても有効な手段です。

 

訴訟になった場合の金額を計算する

もし滞納が長引きそうで、裁判の可能性も見えてくるなら、「訴訟によって請求する金額が60万円以下か否か」も確認しておきましょう。

なぜなら、60万円以下の場合は、「少額訴訟」を利用できるから。

少額訴訟は通常訴訟と比較して、手続きが簡単です。

お金や時間も、さほどかかりません。

一方で、60万円以上の請求額となると、「民事訴訟」を起こす必要あります。

民事訴訟の手続きは非常に面倒なので、できるだけ避けるべきです。

また、場合によっては「請求金額が60万円を超える前に少額訴訟へ動く」という点も重要となるでしょう。

ただし少額訴訟で請求できるのは、あくまでも「家賃の支払い」のみです。

部屋の明け渡しは、民事訴訟でしか請求できません。

 

内容証明郵便にて請求をかける

催告状や、督促状を送っても家賃が支払われない場合、次は「内容証明郵便での請求書送付」へと移ります。

内容証明郵便とは、一言で言えば「郵便局が請求書の控えを残してくれる」という、特別な郵便です。

“控えを残してくれる”というのも重要ですが、内容証明郵便には「心理的にプレッシャーをかけられる」というメリットがあります。

内容証明郵便は、普通の郵便と違い、見た目からして「明らかにただ事ではないぞ」と思わせるものです。

内容証明郵便が届いただけで裁判を連想し、あわてて支払いに応じてくれる人も。

ちなみに内容証明郵便には、以下のような内容を記載しましょう。

・滞納・支払いを求める金額

・支払いを求める旨

・支払いの期日

・支払い先の口座

・期日までに支払いがない場合、契約解除して立ち退きしてもらう旨

・最悪の場合、訴訟して強制執行すること

 

連帯保証人・保証会社にも連絡する

もし、連帯保証人・保証会社が介入しているなら、必ず連絡しておきましょう。

両者とも、入居者本人が家賃を支払ってくれない場合、「肩代わりして支払う」という義務を負っています。

とはいえ、連絡したからといってすぐに肩代わりされる、というわけではありません。

まずは「連帯保証人もしくは保証会社が、入居者本人に支払いをうながす」ということになるでしょう。

そして連絡を受けた入居者本人が家賃を支払う、というケースもあります。

ただし保証会社の場合、「滞納してから日数が経っていると、免責によって肩代わりしてもらえない」ということも。

保証会社への連絡は、なるべく早く済ませるようにしましょう。

 

直接、自宅にうかがう

ここまでやっても家賃を支払ってくれない場合、直接自宅にうかがいます。

オーナーが直接、家賃を回収しに来たともなれば、ことの重大を理解して、すぐ家賃を支払うケースも。

とはいえ、なんらかの理由で「今は払えないから待って欲しい」と言われるケースもあります。

別に「払いたくない」というわけでもなく、「本当に手元にお金がない」という場合が多いようです。

また、逆上して感情をあらわにされて、回収どころではなくなってしまうことも。

もし回収が難しければ、「家賃を払ってくれないなら、契約を解除してここから出て行ってもらいますよ」という旨を伝えましょう。

「追い出される」ということに危機感を覚えて、きちんと支払ってくれるようになるかもしれません。

もし自宅に行っても留守(のフリをしている)場合は、ポストに家賃の支払いを求める書面を投函しておきましょう。

 

3ヶ月以上、家賃を払ってくれない状態が続いた場合の対処と回収方法

3ヶ月以上家賃を払ってくれていない場合、対処の方法はやや複雑になってきます。

できれば、上記まででトラブルを解決したいところです。

とはいえ、それでも家賃を払っていくれない入居者がいるのも事実。

もし3ヶ月以上の滞納があったら、以下のように対応しましょう。

基本的には、

1.和解の方向を探る

2.契約解除を通知する

3.民事訴訟

4.強制執行

という流れで対処していきます。

 

和解の方向を探る

解除通知を送付しようとしている段階で、すでに「裁判所へ訴えを起こす」一歩手前の状態です。

費用や時間のことを考えれば、たとえ少額訴訟であったとしても裁判にするのは避けたいころ。

特に、民事訴訟する場合、最悪の場合2年ほどの時間がかかります。

さらに弁護士費用もかかるうえ、家賃収入も途絶えてしまうでしょう。

とにかく民事訴訟は、不動産業に多大な悪影響をもたらします。

よってこの段階で、「なんとか和解して解決できないか?」という可能性も探ってみましょう。

もし入居者とコミュニケーションが取れるなら、いわゆる「即決和解」を目指すべきです。

即決和解では、「裁判所が和解を手伝ってくれる」というもの。

個人対個人で、和解書を交わすものではありません。

即決和解をすることで、入居者は裁判官へ「和解書どおりに家賃を支払うように」と通達されます。

さすがに裁判官から指導されて、家賃を払わないという人は少ないでしょう。

しかも、即決和解が成立しているなら、支払い遅延があった場合、その時点で裁判所を介さず「強制執行」を実施できます。

 

解除通知をする(以後の家賃支払いが期待されない場合)

それでも家賃を支払ってくれないなら、たいていは契約解除することになるでしょう。

和解できない、あるいは和解書を無視している場合、内容証明郵便にて解除通知を送付します。

先ほども、内容証明郵便で請求書を送付するという段階がありましたが、主な目的は「プレッシャーをかける」というところにありました。

解除通知の場合は、「間違いなく解除通知を書面で送った」ということを、郵便局に証明してもらうことが主な目的となります。

内容証明郵便でないと、後から「そんな郵便は来ていない」と言われる可能性もあるので、注意してください。

 

家賃支払い・明け渡しの民事訴訟を起こす

上記までの対処を取っても家賃を支払ってくれない(部屋を明け渡さない)なら、いよいよ法的な手段へ移ることなります。

民事訴訟での請求内容は、下記の2点です。

・滞納している家賃の支払い

・貸借している部屋明け渡し

訴訟が認められた場合、裁判所は入居者(この時点では被告人)に対して、支払いと明け渡しを「命令」します。

仮に、入居者が命令を無視する場合、入居者の許可なく強制執行することも可能です。

要するに、家賃(もしくはそれ相応の財産)を無理やり回収して、部屋か追い出せるというわけですね。

「家賃を支払ってくれない」場合は、最終的に裁判まで持ち込めば、ほとんどの場合で問題は解決されます。

ただ、「裁判するために時間とお金を使うこと」自体がすでに問題です。

できるだけ裁判へ移る前段階で、家賃の問題は解決したいところ。

 

最悪の場合、強制執行する

もし命令に従わなければ、強制執行をおこないます。

強制執行をするには、命令が出た裁判所にて、「強制執行の申し立て」などの各種手続きを実施しなければいけません。

執行当日は、「執行官」が強制執行を実施します。

わかりやすく言うと、入居者に「出ていけ」と伝え、強制的に家財を持ち出すというわけです。

ちなみに、強制執行を申し込んで実施するまでは、少なくとも数十万円の費用がかかるでしょう。

裁判で消費したのち、強制執行でもお金を払うのは、できるだけ避けたいところです。

 

家賃トラブルを避けるには?

ここまでで解説してきたように、家賃トラブルは、裁判所が関係したあたりから、とてつもなく面倒なことになってしまいます。

やはり具体的な対処法を踏まえること以上に、「そもそも家賃トラブルが起こらないように対策する」のが重要です。

対策としてはさまざま存在しますが、以下のような点は特別に重要です。

 

家賃保証会社と契約する

家賃保証会社は、「家賃を払ってくれない」という自体を防ぐうえで、もっとも頼れる存在です。

滞納があったとしても、ほぼ間違いなく家賃を肩代わりしてくれるでしょう。

連帯保証人と比較しても、家賃保証会社の信用性は圧倒的に高いものです。

なぜなら、連帯保証人にすら支払い能力がなく、家賃を回収できないケースもあるからです。

そのため、家賃保証会社と契約して、万が一の事態にも備えておきましょう。

ただし「明け渡し」に対しては無力なので、注意してください。

 

入居審査を甘くしない

やはり入居審査は、ある程度厳しく実施すべきでしょう。

「家賃をきちんと払いそうにない人」は、この段階で排除したいところです。

たとえば、大手企業で働いている人や公務員、経験十分な士業者などであれば、家賃を滞納する可能性は低いでしょう。

悪くても、「面倒くさがりで、支払いをついつい後回しにする」程度で済んだりします。

一方で、

・無職

・経験の浅い自営業者

・アルバイト・パート

・生活保護者(支給されても使ってしまうケースがある)

・若年層

・派遣労働者

などは、比較的家賃滞納リスクが高い入居者です。

最終的には書面で総合判断することになるでしょうが、こういった人を入居させる場合は、じゅうぶんな注意が必要になります。

 

口座振替で支払ってもらう

家賃の支払いを口座振替にしておくことも、予防策としては有効だと言えます。

なぜなら、口座振替なら、家賃の支払い忘れが減らせるからです。

また、入居者が他のところで使ってしまう前に引き落とせる可能性も出てくるので、家賃分を浪費されるケースも避けられます。

基本的に口座振替は、手数料が安く設定されているはずです。

よほどの理由がない限り、口座振替で支払ってもらうようにしましょう。

 

なぜ3ヶ月の滞納でないと、契約解除できないのか?

一般的に、滞納者との契約を解除できるのは、「滞納が3ヶ月を超えてから」とされています。

しかし、法律的には「家賃を期日どおりに支払わない場合、契約解除できる」と定義されていて、矛盾が生じているようにも見えるでしょう。

ここには、「オーナーが契約解除できるのは、”借主と貸主の”信頼関係が破壊された”と判断された場合のみ」という制約が関係しています。

そして、ほとんどの場合、「”借主と貸主の信頼関係”が破壊されたか否か」は、具体的には「3ヶ月以上滞納しているか否か」で判断されています。

「滞納している時点で信頼関係は壊れているだろう」と感じる人も多いでしょうが、このような解釈が用いられているのが現状です。

ただし、かならず「3ヶ月以上の滞納=信頼関係の破壊」というわけではありません。

あくまでも「そういった判例が多数あり、新しい裁判でもそれを参考にしている」というだけです。

 

入居者が家賃を払ってくれないときの対処法まとめ

家賃トラブルは、不動産主にとってたいへん厄介な問題です。

特に民事訴訟は最悪のパターンで、手続きする中で、たくさんの時間・お金・機会を失います。

裁判や強制執行に至るケースはそう多くありませんが、万が一のことは考えておかなければいけけません。

そもそも家賃トラブルが起こらないように、体制を整えておくのが重要です。

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